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「根面う蝕」と「歯冠先端部う蝕」とは?

歯は、ものを噛む部分である"歯冠部"と歯を支えている"歯根部"からできています。"歯冠部"は歯肉より上にあり、"歯根部"は歯肉に埋まっている部分ということになります。
 主に歯周病や加齢現象などから歯肉が下がり、歯の根元の部分が露出した部分を"根
面"とよんでいます。そして、その部分のむし歯を"根面う蝕"といいます。
 また、加齢とともに増えてくるう蝕の中に、前歯の先端部う蝕があります。これは年齢を重ねると主に咬耗により、歯牙の表面のエナメル質が薄くなり、やがて象牙質が露出しその部分が今まで以上に咬耗とう蝕も進行しやすくなり、知らぬ間に先端部が臼状の穴(くぼみ)となってくる状態をいいます。この2つのう蝕は、いずれも高齢者になってからおこりやすくなるう蝕であり、これらのう蝕に対する対策について、考えてみました。


 
Ⅰ.なぜ、"根面う蝕"がおこりやすい?!
1. 根面本体は象牙質ですが、その表面は薄いセメント質で覆われているだけなのです。
 歯冠部には、分厚いエナメル質が全体を覆っていますが、歯根部には、約20ミクロン程度のセメント質があるだけです。その薄いセメント質が露出していると、その部分は、細菌の出す酸に簡単にやられてしまい、象牙質がむき出しの状態になってしまいます。

2. 露出した象牙質は、エナメル質よりも、細菌の出す酸に弱い。
 私たちのお口の中は、飲食のたびに、細菌の出す酸により、PHが下がります。象牙質はエナメル質に比べその成分が溶け出すPHが高く、PH6.4です。一方、エナメル質はPH5.5です。つまり、エナメル質では、溶け始めないPHでも、象牙質では溶け始めてしまうということです。これは、細菌の酸に限らず、酸性の飲料水でも、同じ事が、おこります。

3. 根面は、むし歯の進行が止まりにくい。
 歯冠部のエナメル質は、無機質が95%、有機質が5%です。これに対して象牙質の組成は、無機質が65%で、残り35%が有機質です。そして有機質のほとんどが、コラーゲンです。エナメル質は、ハイドロキシアパタイトの結晶が規則正しく並んでできています。これに対し、象牙質は、格子状のコラーゲンを足場にして、ハイドロキシアパタイ
トの結晶がくっついています。エナメル質のむし歯は、細菌の出す酸により、表層にあるハイドロキシアパタイトの結晶内の成分が溶け出すことで進んでいきます。しかし、溶けだした成分は、唾液の力である程度、結晶内へ戻っていきます。
 これに対して、象牙質では、細菌によりハイドロキシアパタイトの結晶が壊されるのに続き、コラーゲンの層が"コラゲナーゼという細菌の酵素により分解されます。壊されたコラーゲンを修復する力は、唾液にはないため、壊れたコラーゲンの層は、むき出しのまま、新たな酸にさらされていくことになります。
 これが、根面の象牙質では、むし歯の進行が止まりづらい理由です。

4. 根面う蝕への対策
 むし歯予防の基本は、歯ブラシでプラークを除去することです。根面のう蝕は、歯頚部へのブラッシングを重点的になされていれば、そんなに恐れることはないかと思われます。ただ、年齢とともに、この部分がむし歯になりやすい、要注意部分であるという意識をもって歯磨きをすることが、大切です。
 また、歯の修復を促すフッ素入り歯磨剤を是非利用してください。根面の象牙質のむし歯予防にも、一定の効果が認められています。その他、特に高濃度フッ素配合歯磨き剤(1450ppm以上)や、フッ素入り洗口剤を併用すれば、初期の根面う蝕を再石灰化することが可能であることもわかってきています。
 細菌によるコラーゲンの分解に対しては、フッ素の力で抑制することは、できませんが、そのコラーゲンを保護する成分ピロリドンカルボン酸を配合した歯磨剤Check-Up rootcare(ライオン歯科材)も、販売されています。

Ⅱ. なぜ、"歯冠先端部う蝕(前歯部)"がおこりやすい?!
1. 前歯の歯冠部先端部分は、元々分厚いエナメル質で保護されている部分であり、若い人のこの部分が、う蝕になっていることは、ほとんどありません。しかし、何十年という長い年月を経過した前歯の歯冠部先端部分は、多かれ少なかれ、長年の食生活の中で、咬耗状態に陥っています。そのため、先端のエナメル質部分が、徐々に薄くなり、やがて、象牙質が露出した状態になっていきます。そうなると、根面う蝕の状態となり、同じことが歯冠先端部でもおこってくることが、容易にお分かりになるかと思います。

2."歯冠先端部う蝕"への対策
 根面う蝕への対策に準じますが、多くの人が、前歯の歯冠先端部分をブラッシングするという習慣がないかと思われます。咬耗を食い止めることはなかなか難しいかと思われますが、毎回のブラッシング時に前歯先端部う蝕予防に歯ブラシでこの部分を意識的にケアーされることをお勧めします。

Ⅲ.最後に
 "根面う蝕"と"歯冠先端部う蝕"は、現在、かなり増えている病変です。ただ、両者とも無症状に経過していることが多く、"もともと歯が丈夫でむし歯になったことがない"という方も要注意のむし歯のひとつです。そしてそういう方こそ、当院に一度検診においで下さい。そんなあなたに合った、最も効果的なブラッシング方法をお教えいたします。


スタッフ一同、皆様のご来院を心よりお待ちしております。

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