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最近、歯の治療で来院される患者さんの中に骨粗鬆症の治療を受けておられる方が増えてきました。今回は、その骨粗鬆症治療薬と歯科治療の関係についてのお話です。
Ⅰ骨粗鬆症とは?
近年、多くの女性に強い関心がある病気の一つに骨粗鬆症があります。現在、日本での骨粗鬆症の患者さんは1000万人を超えるといわれていますが、そのうちの80%にあたる800万人が女性です。
では、その骨粗鬆症とは、いったいどんな病気なのでしょうか?体を支えている骨は骨折しないように毎日1グラムずつ新しい骨に作り変えられており約3~5年ですべての骨が入れ替わる代謝を繰り返しています。(体のカルシウムは約1000グラムあり、毎日1グラムずつ入れ替わり1000日で、すべてのカルシウムは入れ替わる)古く脆くなった骨を溶かして取り除く破骨細胞と、新しい骨をつくる骨芽細胞があり若い頃は破骨細胞の量は女性ホルモンによって抑制されていました。そのために溶かされる骨と新しく作られる骨は同じ量(1000グラム)が維持されて強度を保つことができています。
しかし更年期を迎えると、女性ホルモンの減少により抑制がなくなることで破骨細胞が増え骨が溶かされていきます。歳をとるにともない女性の骨量は少しずつ減って1000グラムあったカルシウムは減少して骨折しやすい状態のことを骨粗鬆症といいます。
Ⅱ骨粗鬆症の治療薬
この骨粗鬆症の治療のために使用される治療薬が、ビスフォスフォネート製剤(BP製剤)です。(アレンドロン酸、ボナロン錠、リカルボン錠、ベネット錠、等)主に内服薬です。それと、この他に注射薬としてプラリアという抗RANKL製剤があります。RANKLとは破骨細胞の形成、機能、生存に重要な役割を果たすタンパク質のことです。
これを阻害するのが、抗RANKL製剤(プラリア、一般名デノスマブです。)この製剤は、成人には6か月に1回60mgを皮下注射するだけです。また、この一般名デノスマブは、癌の骨への転移を予防するためにも使われます。この場合骨粗鬆症の際に使用されるプラリアと違い高濃度(一回120mg)でかつ毎週注射する薬剤品名を"ランマーク"といいます。
Ⅲ骨粗鬆症の治療薬と歯科治療の関係
以前からBP製剤を使用している患者さんが、抜歯などの外科的治療をおこなうと顎骨壊死という骨髄炎が起きることがあるとの論文がアメリカから発表され、恐ろしい薬との認識が日本でも広まっていました。
しかし、最近の論文ではBP製剤や抗RANKL製剤と顎骨壊死は関連性が低いとの報告が出ています。プラリア(抗RANKL製剤デノスマブ)を使用した患者さんでは、製剤の濃度が60mgを6ヵ月に一回皮下注射。顎骨壊死の発症率は10万人に30.2名(発症率0.0003%)、癌患者でランマーク(デノスマブ)一回120mg.を皮下注射を毎週行なってきた患者さんの顎骨壊死の発生率は10万人に2316人。(発症率0.0231%)でプラリアの発症率はランマークと比較すると約70分の1ということになります。
また、ヨーロッパの歯科医は外科的治療をおこなう際に、骨粗鬆症治療薬を休薬するようにとの指導はしていません。以上のデータをみると、骨粗鬆症だけを対象に使われているBP製剤、抗RANKL製剤については顎骨壊死という副作用はほとんどないと考えて良いと思われます。癌患者さんの癌の骨への転移を予防するための高濃度製剤ランマークを使っておられる方に外科的治療をおこなう場合には、担当の主治医の意見を聴くことが必要です。
当院でも過去にこのような患者さん(ほとんど内服薬のみの方)を対象に抜歯をおこなってきましたが、抜歯後の治癒期間が普通よりやや長くかかるという傾向がみられるものの、今まで一度も問題となるような副作用は発症しておりません。
骨粗鬆症の患者さんで、この他にもご心配なことがおありでしたら、遠慮なく当院にご相談下さい。スタッフ一同、皆様のご来院を心よりお待ちしております。
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